【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】
自分に合ったシューズとランニングに適した服装をまずは準備しましょう。
私は始めたばかりのころ、何も分からなくて普段着にシューズを履いて走っていました。
楽しかったのであまり気にはなりませんでしたが、擦れたり汗が乾かなかったりして、走りにくかったのを覚えています。
周りからもちゃんとした格好をしたほうがよいと言われ、大会でもらったTシャツやチームのランニングシャツを着て走ってみたらとても快適でした。
当時はウェアがそんなにたくさんありませんでしたが、今は選ぶのに困るくらい出ているので、おしゃれをするのも楽しみの一つになっていてよいと思います。
始めてから最初の3年くらいは一人で走ることが多く、大会に出るときも友達と数人で参加していましたが、その後ランニングチーム「SQUADRA」に入り、チームのメンバーと走ったり大会に参加したりするようになりました。
チームに入ったばかりのころは、まだ活動が本格的ではなかったので少人数で活動していましたが、ちょうど私が結婚したころから本格的になり、みんなで走ったり大会のあとに打ち上げや温泉に行ったりするなど、仲間が増え楽しみも増えました…実は今の旦那ともランニングとその仲間を通して出会ったんです。
みなさんももし興味があるなら、チームに入って一緒に走る仲間を作ってみるのもよいと思いますよ。
【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】
実は当時お気に入りの男友達がいて、その人が水泳とランニングをしていたので、少しでも近づいて仲良くなりたいと思い、自分もランニングを始めました(笑)。
結果的にその恋は失敗に終わったのですが、走ることが思った以上に楽しくて夢中になってしまい、そのことがあまり気にならないくらいでした。
その人の代わりにランニングと出会うことができた、という感じでしょうか(笑)。
走る目的は…当時はその人と仲良くなることでした(笑)。
今は、歳をとってもいつまでも笑顔で完走できる、そういうランナーになりたいと思って走っています。
走っていると本当に色々な人たちと出会いますし、出会った方々から学ぶこともたくさんあります。
一期一会を大切にいつまでも元気に走り続けたいと思っています!!
【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】
私は腰からおしりにかけて硬くなりやすいので、その部分のストレッチをよくするようにしています。
足を交差して前屈をすると、背筋や腰・おしりにかけて伸びるのでよくやります。
ラジオ体操もおすすめです、天気が悪くて走れない日などに家でやっています。
そして、走った後はひざの体操やふくらはぎのマッサージをたまにしています。
【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】
アラン・シリトーの「長距離走者の孤独」という本にとても影響を受けました。
走り始めたばかりのころに読んだのですが、主人公の走ることに対する想いや考え方が自分と似ていて共感できる部分がとても多く、夢中になって読みました。
今の自分の走りにも影響していると思います。
おすすめの一冊なので、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
お気に入りのアイテムは、ファイテンのチタンテープです。
足・首・肩など、どこかに違和感があるときは必ず貼って走るようにしています。
これを貼ると疲れにくくなり、走っていても違和感のある部分があまり気にならないので、わりと効いているのだと思います。
アンダーアーマのキャップもお気に入りです。
つばが少し小さく形がとてもきれいで、自分の頭の形にぴったりなんです。
そしてこれは自分でもなぜかよく分からないのですが、大会に出るときは必ずリュックに小さいサルのぬいぐるみを着けています。
特に意味はなく願掛けやお守りでもないのですが、以前動物占いをしたときに自分がサルだったので、それが理由の一つかもしれません。
一度持って行って以来、毎回私と大会に参加するようになりました(笑)。
でもそのおかげで、レースのあと自分の荷物が見つけやすくなりました。
【走るときに気を付けていることはなんですか?】
疲れてフォームが前傾姿勢になってくると、走りが重くなり負担になるので、私の好きなヌデレバ選手のきれいなフォームをイメージして、背筋を伸ばして走るように気を付けています(笑)。
そして、けがをしないようにするため、スピードにこだわり過ぎたり、無理をしたりしないように気を付けています。
この時期気を付けていることは日焼け対策です。
日差しが強い日は、日焼け止めだけでなく走った後にグレープフルーツやアセロラのジュースを飲んでビタミンを摂取し、体の中からも日焼け対策をしています。
【よく利用するお店はどこですか?】
東京に行ったとき、上野のアメ横にあるスポーツ用品店「ジュエン」によく行きます。
ジュエンはスポーツ用品のディスカウントショップで、型落ち品が激安のお値段で買えるお店です。
品揃えもよいのでまとめ買いすることが多いです。
スポーツ用品店以外だと、一番町にある「リンデンバウム」と国分町の「インパクト」に行きます。
リンデンバウムは元トライアスリートの旦那さんと、元ランナーの奥さんがご夫婦でやっている喫茶店です。
旦那さんは有名な方で「アイアンマン」という日本でもランキングが上位の人しか出られない、トライアスロンの世界大会にも出たことがあります。
スポーツをやっているお客さんもよく来るお店で、小ぢんまりとした雰囲気の良いお店です。
そして「インパクト」はサークルSQUADRAの例会で毎回お邪魔しています。
SQUADRAの代表で、インパクトのママさんでもある清野満美子さんは私の先輩で、元トライアスリートの現役ランナーです。
落ち着いた雰囲気の中で、みんなで楽しくお酒が飲めるとてもよい場所ですよ!!
【練習内容とおすすめのランニングスポット】
走る頻度は週に5回くらいで、距離はその日によって違いますが、平均7キロくらいだと思います。
先ほど紹介したアラン・シリトーの本の影響もあってか、時間帯は早朝か午前中しか走りません。
今は走ることが習慣化していて、私にとっては歯を磨くのと同じ感覚なので、走らないと気持ち悪い感じがして落ち着きません。
おすすめのスポットは三神峯公園です。
桜のシーズンは、人が少ない早朝に行くときれいな桜をゆっくり楽しむことがきます。
とてもきれいなのでおすすめですよ。
【けがや故障、過去の失敗談について】
以前は練習をし過ぎたり無理をしたり、また、ストレッチをしなかったりしたことが原因で、けっこうけがをすることが多かったです。
大会でもスピードを上げて無理をしてしまい肉離れを起こしたことがあります。
この時は痛くて動けなくなってしまった私を、「たんぽぽRC」の仲間が運んでテーピングをして助けてくれました。
レース後もとても心配してくれて、よく連絡をくれました。
けがはしてしまいましたが、自分のこと以上に人のことを心配してくれる仲間の温かさに感動し、とても印象に残っています。
それと、すごい失敗談があります…。
ある大会の10キロの部に参加した時の事なのですが、その大会に絶対負けたくないと思っていた友達が参加していました。
しかし、走り始めてしばらくすると、その友達から少しずつ離され始めたので、なんとか追いつこうとその人の姿を目で追いながら一生懸命走りました。
負けたくない一心で本当に無我夢中になっていたのだと思います、最初は気づかなかったのですが、何か様子がおかしいので周りをよく見ると…なんと知らぬ間に5キロの部のコースに入ってしまっていたんです!!
しかも友達だと思って追いかけていた人も、よく見ると全然違う人でした(笑)。
5キロの部に参加した全然知らない人をずっと追いかけ続けていたんですね。
ゴールの少し前でこのことに気づいたときは愕然としました、一生懸命走りましたがもちろんレースは失格。
何とも言えない気分になりました(笑)。
【継続するために工夫していることはありますか?】
周りのスピードを気にせず自分のペースで走ること、そして、無理をしてけがをしないように気を付けることです。
走っているときは、自分の好きなことや楽しみにしていることを考えながら走っています…走ったあと何食べよう、とか(笑)。
【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】
エアロビクスと水泳をしています。
エアロビはスポーツジムで週に2~3回、実はランニングより前からやっていて、28年くらい続けています。
始めた当時ディスコが流行っていて、私も友達と一緒によく踊りに行っていたのですが、ディスコはお金がかかるので、ジムでエアロビをした方がリーズナブルで健康的だな、と思い始めました。
音楽と踊ることは好きですがお酒は全く飲めないので、流行の曲に合わせて踊れるエアロビで十分満足でした。
しかしそのエアロビのやり過ぎで腰やひざを痛めてしまい、その時リハビリのために水中ウォーキングをしていました。
このリハビリの時に水の中を歩く私の近くを気持ちよさそうに泳ぐ人たちを見て“私も泳いでみたいな”と思ったのが、水泳を始めたきっかけです。
全然泳げなかった私ですが、練習をして泳げるようになり、今はほぼ毎日欠かさず泳いでいます。
ランニングの後に泳ぐと身体がリラックスしアイシング効果もあるのでよいですよ。
【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】
記録は後からついてくるものなので、まずは楽しみながらマイペースに走ってみるのがよいと思います。
一人で走ってみたり仲間と走ってみたり、色々な楽しみ方があるので自分に合ったスタイルで楽しんでみて下さい。
そして、少し慣れてきたらなにか大会にエントリーしてみるのもよいと思います。
大会も様々なタイプがあり、その大会によって楽しみ方は全然違います。
エイドが充実していておいしいものがたくさん食べられる大会とか、走ること以外にも楽しみがたくさんあるので、興味の湧くものがあったらぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
それと、なかには走りたいけど自分は走れないと思っている方もいるかもしれませんが、そう思わないでまずは走ってみましょう!!
やってみれば何とかなるので、興味があるのならまずは始めてみることです。
歩ける距離は走れます!!
【印象に残っている思い出はありますか?】
大会でみんなが一生懸命走っている姿を見ていると、ふとしたときにとても印象的な場面に出会うことがあります。
やくらい高原マラソンに参加したとき、黙々と走り続ける小学生の男の子がいました。
彼はとても集中して走っていましたが、途中で片方の靴が壊れて脱げてしまいました。
しかし、彼はそんなことは何も気にせず、何事もなかったかのようにそのまま裸足で走り続けたのです。
私だったら“どうしよう”と思い、走り続けることができなかったと思います。
靴が脱げたことなんか気にならないくらい集中し、一生懸命走る彼の姿はとても印象的で衝撃を受けました。
そんな彼を見て“自分も負けてはいられないぞ”と強く思ったことを覚えています。
また、東京マラソンに参加したとき、とても楽しそうに走っている義足のランナーさんがいました。
本当に楽しそうに走っているその人の姿がとても印象的で、今でも覚えています。
私もちょっとしたことで弱音を吐いたりしてしまうときもありますが、その人の走る姿を見た時、とても勇気づけられ励まされたような気がしました。
走ることを通してこれまでいろいろな人と出会い、その方たちからいろいろなこと学びました。
今の自分があるのもそのおかげだと思っています。
これからも人との出会い・つながりを大切にしながら走り続けていきたいと思います。
【取材者から一言】
やはり恋の力はすごいですね、初めて聞く動機です(笑)。
でもそのおかげでランニングと出会えてよかったと思います。
大会での失敗談も本当に笑ってしまいました。
でも本当に一所懸命になっている時って周りが見えなくなってしまいますよね。
私もその傾向がある(とたまに言われる)ので、気を付けたいと思います。
昭枝さん、いつまでも元気に走り続けてください!!