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※ランナーズ“Voice”は、先輩ランナーの主観的な体験談やアドバイス、意見や感想などです。
絶対的な正誤情報をご提供するものではありませんので、
あくまでも先輩ランナーからの貴重なお話の一つとして、楽しいランニングライフの参考にしてください!
※掲載内容は、取材時または更新時の内容です。掲載内容に誤りや古い情報などがありましたら
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■掲載日 2014年10月9日
■更新日 2014年10月9日

Runner Data

Voice No. 056

>>ランナーズキャッチコピー

【 昨日の自分を超えて、明日の自分を目指す! 】

  • 【お名前】 むらかみ みつおさん
  • 【年齢】 55歳
  • 【性別】 男性
  • 【ランナー歴】 5年
  • 【好きなブランド】 アシックス
  • 【マイランニングスポット】 宮城野原総合運動公園、白石川河川敷
  • 【所属サークル】 仙台明走会、Yes,We Run、チーム☆ルネサンス
ビギナーランナーへのメッセージ

ランニング仲間との飲み会…これ重要です!!

【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】

イメージしてからトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

走る前日に “明日は3キロ歩いて、2キロ走る” などとイメージをつくり、勝手に華麗なランニングフォームで走っている自分を妄想し、しばしそれに浸ります。
そして翌日実際走ってみて、もし2キロ走ることができなかったとしても、気を落とさずあっさりと目標を1キロに下方修正して、なおかつそんな自分を許しましょう(笑)。

最初は無理をしないほうが続けやすいので、焦らず小さな目標を少しずつクリアし、徐々に走る距離を延ばしていけば良いと思います。
私の場合は走る前日の夜、枕元にウェアを準備し、布団の中で翌日走るコースや走っている自分をイメージしました。
イメトレはモチベーションも上がり、続けるのに効果的なので、ぜひ試してみてください。

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目標を達成できるようになったら、自分にご褒美をいっぱいあげてみてはどうでしょう?
3キロ走れたらプレミアムビール!5キロ走れたら焼肉!!新しいアイテムをご褒美にするのも良いですね。
そんな場面もイメージしながら、無理せず楽しむことが大事だと思います。

【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】

以前、仕事の無理がたたり腰痛(椎間板ヘルニア)になってしまい、手術を2回受けたことがあるのですが、その後運動ができなくなり、メタボ体型になってしまいました。
このままでは職場に迷惑をかけてしまうのでは!と心配になり、スポーツジムに通い始めたのが、走り始めたきっかけです。

当時住んでいた札幌のスポーツジムでは、インストラクターのアドバイスを受け、筋トレで腰回りを強化することから始め、体重を減らすには有酸素運動も良いとのことで、ランニングマシンで走ることも試しましたが、腰にコルセット、ひざにサポーターというスタイルで走ると、周りの人に心配されたり、ときには呆れられたりもしました。

その後、コルセット、サポーターなしで走れるようになると、今度は外を走ってみたくなり、その頃タイミングよく、近所にアシックスショップが開店したので相談に行くと、“土曜モーニングラン”、“水曜ナイトラン”などのイベントがあるということで、勧められるままに参加してみました。
また、ランニングもブームになってきていたので、スポーツジムでもランニングチームが立ち上がり、この頃から走る機会とランニング仲間が増えました。
実際外を走ってみると、中で走るのとは違い時間があっという間に過ぎ去り、それ以来中で走るのが少々辛くなりました(笑)。

当初の走る目的は、メタボ対策や健康維持でしたが、成果が上がってくると、目的はレースでの自己ベストに変わってきました。
もともと目標がないと飽きやすい性格なので、自分で目標を作らないと長続きしないのです(笑)。

そして少し走れるようになってからは、自分が楽しく走ることができている恩返しを少しでもできればと思い、目の不自由な方の伴走もするようになりました。
目の不自由な方はレースだけでなく、練習の時から伴走者がいないと走れないので、そのお手伝いが少しでもできればと考えたのですが、伴走者はランナーより速い走力が必要ですし、レース中は周りの景色や他のランナーの様子、走路の細かな起伏やコース取り、追い越すタイミング、給水の取り方など、ランナーに伝えることが多く、とても気を遣います。

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また、短いロープ一本だけでつながれていますので、息とリズムを合わせて、ランナーのストレスにならないようにしないと、二人とも走りづらくなってしまいます。
やってみて分かったのですが、けっこう大変なんです。
実際、うまく伴走できずレース後に謝ったこともありました。
それでも「伴走のおかげでゴールできました。」とか「自己ベストを達成することができました。」と言っていただけるととても嬉しいですね。
ランナー冥利に尽きます。
今ではこれも走る目的になっているので、ぜひ仙台でもお手伝いができればと思っています。

【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】

私は腰痛持ちで身体も硬いせいか、油断するとすぐに腰回りの故障をしてしまいます。
そこで、股関節やお尻から太ももの裏側を伸ばすストレッチは、時間をかけてやるようにしています。
例えば、仰向けで寝て両手で片足のかかとをつかみ、そのままぐ~っと頭の方に足を引っ張ると、太ももの裏側が伸びているのが実感できます。
これはぎっくり腰対策にも良いそうですよ。

極めつけはお尻から太ももの外側を伸ばすストレッチです。
足の裏からひざまでを両手で抱えて、胸にぐ~っと近づけます。
たまに職場でイスに座ったままやるのですが、周りの同僚は何をしているのかと驚いたり、感心したりする人もいます(笑)。

マッサージはそこまで入念には行いませんが、お風呂上りに負担のかかるふくらはぎを揉んだりしています。

【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】

実は自宅にかなりの数のトレーニングアイテムがありまして、ちょっとしたスポーツジムのようになっているんです。
エアロバイクにダンベルにタフスライダーなど、雨の日はいろんなアイテムを使ってトレーニングしています。

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定番で多くのランナーさんが使っていると思いますが、おすすめなのはストレッチポールとバランスボールですね。
バランスボールは、座って腰をローリングしたり、上下運動したりするだけでも良いですし、体幹を鍛えるのにも効果的で、いろいろな使い方があります。
また、ストレッチポールには、小さいタイプのものがあるのをご存知でしょうか?
リュックにも入るサイズなので、泊まりでレースに参加するときは持参するようにしています。
お尻や太もも、ふくらはぎを集中的にいじめたいときにも便利ですよ(笑)。

マッサージには軟式の野球ボールもよく使います…たぶんみなさんはテニスボールだと思いますが。
椎間板ヘルニアが原因なのかは分かりませんが、2年前にお尻の梨状筋が強張り、坐骨神経痛になってしまい、よく横になってボールをお尻の下に置き、グリグリとマッサージをしていました。
これをやるとけっこう楽になるんですよ…やっているときは痛いですけどね(笑)。

また、私は偏平足気味なので青竹踏みもよくやります。
ランニングを始めた当初、長い距離を走ると足の裏が熱をもったり、痛くなったりしていたのですが、青竹踏みを時々やるようになってから、とても楽に走れるようになりました。
100均で買った青竹踏みなのですが、これも手放せないアイテムの一つです!

【走るときに気を付けていることはなんですか?】

平日は基本的に夜走ることがほとんどなので、歩行者や自転車の邪魔にならないように気をつけて走っています。
ウェアは明るめの色のものを着て、首からライトをぶら下げているのですが、もともとこのライトは散歩のときに犬に着ける用のものです(笑)。
揺れると胸や肩に当たって痛いのですが、そんなときはフォームが悪いんだな、と軸がぶれないよう意識して走ります。
フォームの修正にも役立つので、一石二鳥ですね(笑)。

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土日のどちらかはロング走をしています。
なるべく立ち止まらずに走れるようコース設定をし、給水も走りながらとるように工夫して練習しています。
これは立ち止まらないで走り切ったほうが、練習効果が上がるというランニング雑誌の受け売りです。

【よく利用するお店はどこですか?】

ステップスポーツ仙台店です。
スタッフが皆さん走る方なので、特にシューズ選びは相談もでき、安心感があります。
ウェアは時々三井アウトレット仙台港のアシックスを覗いたりします。
私のランニング人生はアシックスショップからスタートしているので、今までもウェア、シューズ全てアシックスです!
こだわり…と言うよりは面倒くさがりのずぼらな性格だからです(笑)。

実際走るアシックス広報みたいなもので、アシックス東北販売の方にも顔を覚えてもらいました(笑)。

【練習内容とおすすめのランニングスポット】

練習は週に2~3回で、平日は仕事が終わったあとに、週末は早朝に走っています。
水曜日の夜は週に1回のポイント練習をすることが多く、1周2.5キロの宮城野原総合運動公園の外周で、10キロのビルドアップ走などをしています。
ここは仕事帰りにも便利な場所なのと、近くのスポーツジムのランナーズ会員になっているので、そこで着替えて、走ったあとはお風呂に入ってから帰ります。

ビルドアップ走は、徐々にペースを上げ負荷をかけていくので、最後は苦しくなりますが、時々こういった追い込む練習を取り入れることはとても良いことで、慣れてくるとだんだん普段の走りが楽になり、やがてレースでもそれが実感できるようになると思います。

他の平日で時間があるときは、帰宅ついでに仙台駅から太白大橋を越えて名取駅までの約15キロを走り、通勤ランを楽しんでいます。
というのも私は白石に住んでいるのですが、夜真っ暗なのでなるべく仙台を走るようにしているからです。

土日はどちらかの早朝、朝ご飯を食べずに20~30キロ走るようにしています。
お気に入りのコースは、白石から国見峠を越えて、福島駅までの奥州街道30キロコース!
けっこう上りがきついですが、坂道好きにはたまりません(笑)。

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また、走るときは何かしら楽しみを取り入れるようにしています。
例えば、週末のロング走で、たまに福島駅ではなく福島競馬場をゴールにして、走り終わった後に芝生の上で競馬を見ながらストレッチをし、そのままビールを飲みながら競馬を見たりるすこともあります。
何とも優雅でこちらもたまりません(笑)。

そういう楽しみも取り入れつつ、基本的にはロング走で脚を鍛えて、ビルドアップ走で心肺機能を鍛えている、という感じですね。

【けがや故障、過去の失敗談について】

数年前、東京マラソンに当選した嬉しさのあまり、冬の平日夜、がんがんロング走をしたのですが、少々無茶をしてしまったようで…レースの一週間前にぎっくり腰になってしまいました(泣)。
走っている最中は違和感程度でしたが、朝起きるとものすごい激痛で、身体を1センチも動かすことができず、歩くのもままならない状態になってしまったのです。

それでも無理をしてレースには出たのですが、20キロ過ぎ辺りから走れなくなり、脚ならぬ腰を引きずりながら、なんと5時間40分でゴール!もちろんダントツのワースト記録です。
その後一ヵ月くらいはまともに走ることができませんでした。

自分は目標ができると一直線になり、無茶をしてしまうことがあるのですが、一夜漬けのような練習ではだめなのだと、このとき実感しました。
「レースは日々練習した結果しか出ない。しかし、練習した結果は必ずでる。」それ以来、この言葉を胸に刻んでいます…
が、それでも故障しがちなのは、やはり無茶する性格に原因があるのでしょうか(笑)。

【継続するために工夫していることはありますか?】

ランニングは日常生活の一つと考えるようにしています。
特別なことではなく、食べたり、飲んだり、寝ることと同じこと、そう考えると寒い冬の日でもすっと走り出せるんです…たぶんですが(笑)。

それとやはりレースに出ることですね。
市民ランナーにとっての目標は、他のランナーでもなく、順位でもなく、“自分自身” だと思います!
自己ベストを目指すもよし、より長い距離を目指すもよし、自分自身を目標にすることで、飽きずに継続できるのではないでしょうか。
他の人なんて関係なし!意識しないで我が道を行きましょう!!

そして、ランニング仲間を見つけて飲み会をすること!これが一番重要です(笑)!!
飲みながらランニングの話をしていると、楽しくてフルマラソンの制限時間などあっという間に過ぎてしまいます。
いろいろな人から、いろんなためになるお話しが聞けて、とても楽しいですよ。

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【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】

学生時代は野球、社会人になってからは登山、テニス、ボウリングなどやっていました。
やり始めたらのめり込む性格なもので、30代で始めたテニスは大会にも出るようになりましたし、講習会でボランティアコーチをしたこともあります。
当時のコーチがテニス協会の重鎮と呼ばれる熱血コーチで、練習がものすごくハードだったんです。
よく練習前は走らされましたし、まさにしごきだったんですが(笑)、でもその分早く上達することができて、あるときその方に講習会を手伝ってほしいと言われたのがきっかけで、ボランティアコーチをしました。

ボウリングも知り合いに勧められるまま始めたのですが、けっこうのめり込み、リーグ戦や大会に出たりしました…ランニングとは全く関係ありませんけどね(笑)。

運動ではありませんが、今は「ベガルタ仙台・市民後援会」というボランティアのスタッフをしています。

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試合の日は、開始4時間前から立ち通しでバタバタし、試合中はゴール裏で跳ねながら応援していますので、7時間くらい立ちっぱなしですね。
こちらはランニングのよい補強運動になっています(笑)。

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【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】

ランニングはきつい、苦しいものだと考えず、気軽に始めて続けてみるとよいと思います。
続けていれば走れる距離は徐々に延びますし、決して縮むことはありませんから。
一年後に走り始めた頃の自分を振り返ると、あまりにも走れなかったことなどが思い出され、思わず笑ってしまいます。
でも、それでも楽しいのがランニングです。

もし興味があるなら、ランニングサークルに入るのも良いですね。
同じ趣味を持つ仲間も増えますし、とてもためになる情報も手に入るので、楽しく続けることができると思いますよ。
そして何よりも飲み会が楽しいっ!…というのは先ほども言いましたね(笑)。
でも毎回話しが盛り上がり、本当に楽しい時間を過ごせるのでお勧めです。
という私は実はそんなにお酒は強くないんですけど(笑)。

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あとは、レースに出てみることだと思います。
“まだレースに出るのは早いかな” などと躊躇せずに、まず出てみるのが良いのではないでしょうか。
後から振り返ると、最初のレースはほろ苦いものになることでしょう。
私も最初のレースはボロボロでしたが、目標ができると日々の練習も楽しくなるので、ますますランニングが好きになることは間違いなしです!
さあ!パソコンで、スマホで、ポチッとエントリーしてみましょう!

最後に、ランニングが楽しくなってからで結構ですが、ボランティアについても考えてもらえればと思います。

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きっと自分に向いたボランティアがあると思いますし、またそこで仲間が増え、みんなと楽しい時間を共有できると思います。
時には生きがいを見つけることもできるかもしれませんので、もし興味があるなら、無理せず自分ができることから始めてみてください。

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【印象に残っている思い出はありますか?】

印象に残っていることと言えば、札幌から転勤が決まったときのことですね。
通っていたスポーツジムのランニングチームのメンバーが、私に内緒で、参加したレースや合宿の写真を集めたり、メンバーひとりひとりからのメッセージや動画が入ったDVDと、寄書きをしたランニングシャツを作って、私にプレゼントしてくれました。

DVD用の撮影のために私に内緒で集まり、閉店後のジムを貸し切って撮影したり、編集はわざわざテレビ局(STV)の方にお願いして作ってくれたそうです。

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送別会の二次会でそのDVDを上映してくれたのですが、事情を一切知らなかった私は号泣!
人生であんなに泣いたことはなかったかも知れない、というくらい泣きました。
また、所属していたランニングクラブからは、思い出のいっぱい詰まったアルバムをいただき…こちらもまた涙。
歳をとると涙腺が弱くなるのですね(笑)。

そんな最高の仲間を見つけられるのも、ランニングの良いところなのだと実感しました。
今でも年に数回、北海道のレースに出るのは、そんな仲間たちに会いに行くためです。

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【取材者から一言】

むらかみさん、素敵なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
飲み会!重要ですよね。
ランニングに限らず、同じ趣味を持つ仲間との時間は楽しいものです。
でも思わず酒が進んでしまい、翌日を棒に振ってしまうことも…たまにあります(笑)。

ボランティアと札幌からの転勤のお話では、特にむらかみさんのお人柄を感じることができました。
これからもランにボランティアに、そして飲み会に、一直線にがんばってください!!
でもけがには気を付けてくださいね。