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※ランナーズ“Voice”は、先輩ランナーの主観的な体験談やアドバイス、意見や感想などです。
絶対的な正誤情報をご提供するものではありませんので、
あくまでも先輩ランナーからの貴重なお話の一つとして、楽しいランニングライフの参考にしてください!
※掲載内容は、取材時または更新時の内容です。掲載内容に誤りや古い情報などがありましたら
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■掲載日 2013年7月19日
■更新日 2015年1月22日

Runner Data

Voice No. 036

>>ランナーズキャッチコピー

【 骨髄バンクランナー、時々スライム 】

  • 【お名前】 斎藤あゆみさん
  • 【年齢】 35歳
  • 【性別】 女性
  • 【ランナー歴】 4年
  • 【好きなブランド】 Move Sport, R×L SOCKS
  • 【マイランニングスポット】 角田、水の森公園
  • 【所属サークル】 ニューフレンドランニングクラブ
ビギナーランナーへのメッセージ

走ること以外にも趣味があるとよいですよ!

【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】

とにかく楽しむことが大事だと思います。
最初は歩くだけでもよいので、まずは体を動かすことを楽しむことから始めてみて下さい。

シューズとインソール選びもとても大事です。
私は最初ちゃんと自分の足のサイズを分かっていなくて、適当に選んだシューズのサイズが小さく、きつくて爪がやられてしまいました。

その後、神田の「アスリートクラブ」というシューズ専門店で、ちゃんとサイズを測ってもらったら、自分が思っていたサイズと違っていて、合う靴のタイプも自分が選んだものとまったく違っていたんです。

そのときすすめられたのがアシックスのDSトレーナーというシューズで、今はそれにスーパーフィートというインソールを入れて履いています。
実際履いて走ってみるとしっくりきて、調子がよくなりタイムが上がりました。
それ以降同じシリーズを履き続けていて、今ので4代目です。

色々なアイテムがありますが、何よりもお金をかけたほうがいいのはシューズだと思います。

【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】

独身の時、年に一回気仙沼の「つばきマラソン」の5キロの部に参加していました。
そのとき私は骨髄バンクの普及活動をしていたのですが、毎年骨髄バンクのタスキを着けてこの大会に参加していた、気仙沼のメンバーの方たちに誘われて参加したのがきっかけです。

ランニングの経験は全くなかったのですが、骨髄バンクの事を知ってほしいという想いで参加、もちろんきつかったですが、なんとか完走することができました。

本格的に始めたのは結婚をしてからのことです。
旦那も走りたいと言い始め、一緒に走ったり大会に参加したりするようになり、だんだん本格的に走るようになりました。

その後ランニングクラブに入会し、そこで素敵な仲間に出会うことができました。
また、自分のブログを通してもランニング仲間と出会うことができ、徐々に走ることにハマっていきました。
特にクラブにはベテランの方が多く、みなさんとても親切にいろいろなことを教えてくれました。

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結婚してからは骨髄バンクの活動に参加できなくなってしまったのですが、みなさんに知ってもらおうと、今でもずっとタスキを付けて走っています。

【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】

逆に聞きたいんです!(笑)。

私は身体がとても硬くて、一人でストレッチやマッサージができないんですよ。
特に腰と股関節が硬いので、パーソナルトレーニングでストレッチをしてもらったり、接骨院に通ってマッサージしてもらったりしているので、人よりお金がかかってしまうんです。

旦那と一緒にストレッチをすればよいのですが、旦那がむちうちになってしまい、今はできないのでストレッチボードを使ってやっています。

ストレッチボードはおすすめですよ!!ただし痛いです。

【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】

ガーミンのGPS付腕時計は毎回着けて走ります、必需品です!!
時計がない人には「ランタスティック」というアプリをおすすめします。
時計と同じように、距離・時間・コースが記録でき、私の周りでも使っている人が多く人気があるようです。

iPodにはズンバの曲を入れています、ノリがよいので走るときにぴったりなんです。

腰や足のサポートには、骨盤ベルトやテープなどを使っています。
デサントの骨盤ベルトは着けても違和感がなく、ブレをしっかり抑えてくれます。

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接骨院ですすめられた「KTテープ」というアメリカ製のテーピング用テープは、ちょっと高いのですが、着けると足の負担を軽減してくれるので疲れないんです。
とってもいいんですが、高いので重要なレースの時に着けるようにしています。

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バンテリンのサポーターもおすすめです。
走り始めたばかりのころに左の足首を捻挫して以来クセになってしまったので、靭帯保護用に着けています。
薄くてつけやすく、足への負担も軽減してくれます。

【走るときに気を付けていることはなんですか?】

CWXのタイツを必ず履いて走ります。
負担を軽減し腰やひざを守ってくれるので、今やこれがないと走れないというほどの必需品です。

あとは無理をしないことです。
今は自分のペースが分かっているので、走っていて普段と何か違う時などはすぐわかるようになりました。
違和感があるときは無理をせず歩いたり、やめたりするようにしています。

【よく利用するお店はどこですか?】

ステップスポーツゼビオ名取店、スポーツデポの多賀城店などによく行きます。

ステップスポーツは最近教えてもらいました、スタッフさんが気さくでみんな優しいですね。
スポーツデポやゼビオはウェアが豊富なので選ぶのが楽しいです。
お気に入りのMove SportのTシャツは、安くなっているときを狙って買います(笑)。

軽くて走りやすいG-FITのウェアもとても気に入っているのですが、取り扱っている店舗が少ないので、ネットを利用して購入しています。

スポーツショップ以外だと、赤門鍼灸柔整専門学校によく行きます。
スポーツが得意な先生がいて、1時間くらいかけて身体の状態を調べて鍼をしてくれます。
平日は一回千円とお得なのでおすすめですよ!こないだは腰に12本やってきました。
しょっちゅう行くので顔も覚えられてしまいました(笑)。

【練習内容とおすすめのランニングスポット】

忙しくて時間がないので、ジムやランニングイベントなどで走ることが多いです。
その日の体調に合わせて走るので距離は特に決めていませんが、だいたいいつも10キロ以内です。

おすすめのランニングスポットは水の森です。
スタミナをつけた方がよいと、台原や水の森などのハードなコースでの練習をすすめられたことがあり、それから時間のある時は走りに行っています。
どちらかというと水の森の方が、あまり人がいなくて走りやすいので好きです。

実家に帰ったときに走る小田原から一番町までの、約6キロのコースもお気に入りです。
定禅寺通はとてもきれいなので走っていて気持ちがよいですね、とてもいいコースです。

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自宅の周辺を走るときは日中走るようにしています…というかそうせざるを得ない環境なんです。
と言うのも、家の周りが山で、裏には果樹園がありイノシシや狸が頻繁に出るんです。
しかも外灯がなくて真っ暗なうえに墓地まであって…夜走るのは完全に無理(笑)!!

【けがや故障、過去の失敗談について】

実は、今までに熱中症や脱水症状で3回倒れたことがあり、全て救急搬送され、死にそうになったこともあります。

1回目は秋田で開催される「日本海メロンマラソン」に参加したときのことです。
40℃近い気温でかなり過酷なレースだったのですが、何とか完走はできました。
しかし、ゴールしたとたんに倒れてしまい、気が付いたら救護車の中にいました。

重度の脱水症状で身体を動かすことができないどころか、声を出すこともできなくなってしまい、ものすごい脱力感でした。
しかも全身がびしょびしょになるくらい汗をかき、体温もかなり下がっていたのですが、さらに身体を冷やされてしまい、体温と血圧がますます低下してしまったのです。

けっきょく血圧は30くらいまで下がってしまったらしく、体温もどんどん下がり続け本当に危ない状態になったのですが、点滴を打ってくれたおかげで血圧が上がり、一気に回復しました。

医者からは入院をすすめられたのですが、どうしても帰らなければならなかったのと、思ったより元気になったので、その日は海鮮丼を食べ車も運転して帰りました(けっきょくメロンとババヘラは食べられませんでしたが…)。

でも、その後体力が戻るのに2~3週間くらいかかり、それから熱中症になりやすくなってしまいました。

2回目は酒田砂丘マラソン大会でした。
この日もかなり暑く、コースも日向ばかりで日影が全くなく、そうとう厳しいレースでした。
おまけに給水所の水が切れてしまい、ランナーさんが次から次へと倒れ始めたのです。

このレースもゴール後にメロンが食べられるので、私はそれを目指し何とかゴールしたのですが、その後暑いなか旦那がゴールするのを待っている間に限界が来てしまい、倒れてしまいました。
救護車で運ばれ、気がつくと救護室にいたのですが、この日は倒れたランナーさんが多くて救護室がいっぱいでした。

こんなに人が倒れたのは初めてだったようで、次の日大会事務局からお詫びの電話が来ました。
私は覚えてないのですが、その時朦朧としながらも私が発した言葉が「メロン食べたい」だったそうです(笑)。

3回目は昨年の日光杉並木マラソン大会10キロの部。
この時は途中で塩分切れになってしまったのですが、日光は天然水が有名なのでエイドは全部水でスポーツドリンクがありませんでした。
飴なども持っていなかったので、ふらふらしながら最後のエイドで「漬物ください!」と言ったら、「大丈夫?これ全部持っていきなさい。」とトマトときゅうりの漬物を大きな袋ごと渡されました。
そのおかげで復活できたのですが、漬物の入った大きな袋を持ったままのゴールはインパクトがあったらしく、ものすごい笑われました(笑)。

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とそこで無事終わればよかったのですが、ゴールした後に手足に力が入らなくなり、またもや救護室に運ばれました。
このときも身体がしびれて動かなくなってしまったのですが、しばらくすると落ち着いてきたので、大丈夫かな~と思い起き上がった瞬間…また倒れてしまい、即救急車で病院に運ばれました。

一緒に来た友達は青ざめていたのですが、逆に旦那は呼び出しの放送で名前を呼ばれるのにも慣れたらしく、けっこう落ち着いていました。

全てに共通しているのが、とりあえず完走はしていることと、前日にお酒を飲んだことです。
お酒は本当にやめたほうがよいと思いました。

それから夏のレースが苦手になったのですが、もし今後出るときは塩分と、そして現金・保険証が必要です(笑)。

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【継続するために工夫していることはありますか?】

定期的に大会に出ることです。
東北の大会がメインですが、月に1~2回は出るようにしています。

モチベーションのアップにつながりますし、たまに関東方面の大会に出ると、旅行も兼ねているので楽しめます。

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「青森マラソン」「猪苗代マラソン」「神戸マラソン」など今年は初参加のレースが多いのですが、「ウミネコマラソン」は関門に引っかかってしまい、残念ながら18キロでリタイアしてしまいました。

【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】

スポーツジムに月4回通っています。
筋トレやズンバをしたり、たまに斉田さんのヨガを受けたりもします。

フルボックスという格闘系のエクササイズもするのですが、これがめちゃくちゃハードなんです。
そしてランナーなのに、なぜかトレッドミルが怖くて苦手です(笑)。

それと、最近ご無沙汰ですが、元々幼少期からスキーをやっています。
走るのはあまり早くないけどスキーは任せてください(笑)!!
でもスノボは危ないので苦手です…

【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】

とにかく楽しく続けてください。

地元にランナー仲間をつくるとより楽しく続けられると思いますよ。
一緒に走って成長していく楽しみを味わったり、情報を交換し合ったり、ランを通すとすぐ仲良くなれるし、イベントなどでもたくさんの方に出会えますよ。

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そして、ランニング以外の趣味を持つこともおすすめします。
走ることだけに没頭するのもよいのですが、そうするとけがをしても走ってしまったりして、無理をしてしまうからです。
他に趣味があると、走ることを控えなければならないときでも退屈になりませんし、ちょっと走るのがいやになったときにも気分転換ができます。

ちなみに私の走ること以外の趣味は、メダカの世話(卵を孵化させ100匹近くいます)、ゲーム、ドライブ、電車撮影(実は鉄子でもあるんです)、プロレスと野球観戦…とけっこうあります(笑)。

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それと、貧血や熱中症には気をつけましょう!!
特に熱中症(笑)!!

周りを見ていても無理をしてしまう人がけっこう多いなと思います。
最初は無理せず適度にやるのが一番です。

【印象に残っている思い出はありますか?】

初めてフルマラソンを完走したときのことです。
それまで挑戦してもなかなか完走できなかったフルマラソンにリベンジしようと「NAHAマラソン」にエントリーしました。
しかしこの年の3月に大震災があり、叔母やいとこを亡くした私はしばらくランニングから離れてしまっていました。

気持ちにも余裕がなく、走るかどうか本当に迷ったのですが“リベンジしたい”という想いがとても強かったので参加することに決め、叔母やいとこの写真を持って走りました。

レースはそこそこ順調だったのですが、関門を超えた25キロ地点くらいから、とても辛くなってきました。
“せっかく参加したのにまたリタイアするのか”とくじけそうになってしまったのですが、そのとき「がんばれ」といういとこの声が聞こえたのです。
とても不思議に思いましたが、私にははっきりとその声が聞こえ、そしてなぜかそれから身体が軽くなりました。

そのおかげでそこから先も頑張ることができ、無事完走することができたのです。
とても不思議な出来事でしたが、きっと私の事を応援してくれていたんだと思います。
その声援は間違いなく私に届き、私を後押ししてくれました。
一緒にゴールできて本当によかったです。

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震災後は相馬の復興マラソンにも参加し、この時は仲間から仮装しないかと誘われ、スライムの格好をして走りました。
復興マラソンで仮装するのもどうかと思ったのですが、震災後は私もいろんなことで頭がいっぱいになっていたので、たまにはバカになってみようと思い仮装して参加しました。

参加した10キロの部は、仮設住宅の周りを2周するコースで、ボランティアの方も仮説住宅にお住いの人たちでした。
そんなコースを走っているうちに、私は震災の事を思い出してしまい涙が止まらなくなってしまいました。

もうそこからは泣きながら走り続け、タイムもボロボロでしたが、地元の方たちの「スライムがんばれ!!」という声援が暖かく、とても励まされたのを覚えています。
みんな一生懸命応援してくれるので、ゴール前に一度立ち止まって「ありがとうございます。」とみなさんにお礼をしてからゴールしました。

参加したみなさん、そして地元の方々にとっても、とても印象深いレースになったと思います。

そして、その数日後母から「あなた何か大会に出た?河北新報に被り物をして走っている、あなたにとても似ている人が載っているんだけど」と連絡がありました。

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私は気づいていなかったのですが、大会に関する新聞の記事に、スライムをかぶった自分の写真が載っていたようで、それを見た母が私に教えてくれました。

記事を見てみるとど真ん中に写っていて、それ以来、記事を見た会社の人や友人からは「スライムちゃん」と呼ばれるようになってしまいました(笑)。

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【取材者から一言】

さ、斎藤さん、無事でよかったですね!!
これからどんどん暑くなりますし、熱中症には本当に気を付けてくださいね。

そして「NAHAマラソン」完走おめでとうございます。
参加するか迷いはあったと思いますが、みんな応援してくれていたんですね。
みんなの想いが斎藤さんをゴールに導いてくれたんだと思います。

今年は暑さに負けないよう無理せずがんばってください!!