【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】
とりあえずウェアはなんでもよいので、スポーツショップで相談しながら、自分の足に合ったランニングシューズを見つけてください。
最初はゆっくりと、自分が気持ちよいと感じるスピードで走り、無理はせずちょうどいいところでやめるようにしてください。
“速く走らなきゃ” と思って無理をすると “また走ろう” という気がなくなり、続かなくなります。
慣れてきたら少しずつ距離・時間をのばし、あくまで自分が心地よいと感じるスピードで走るようにしてください。
【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】
私は、小学生の時から大学を出た後もずっと水泳をやっていて、マスターズにも出場していました。
しかしタイムが伸びなくなって、だんだんとつまらなくなり、続けようかどうか迷っていた時に、たまたま私のお店のお客様がトライアスロンのことを教えてくれました。
走るのも自転車も嫌いではないし、なんといっても初めてやる競技ということで、ゼロからまた新しいことを始めてみたいと思い、とても興味を持ちました。
そして練習を開始し、初めて挑んだレースが「みやぎ国際トライアスロン」の第一回大会でした。
その後トライアスロンは12年くらい続けたのですが、だんだん3種目のトレーニングを思うように続けることができなくなってしまいました。
そんな中、ランニングはシューズさえあれば、自転車はいらないしプールに行く必要もなく、扉を開ければすぐトレーニングができる、そんなランニングの手軽さに改めて魅力を感じ “これ一本にしよう” と思ったのがきっかけです。
今では自転車はママチャリしか乗っていません(笑)。
今は走ることが習慣化して生活の一部となっているので、特別目標などは掲げていませんが、走らないと身体が気持ち悪い感じがするので、なるべく 毎日走るようにしています。
旅行に行った時でも、どこでも走ります(笑)。
私はもともと体温が低い方だったのですが、ランニングを始めてから平均体温が上がり、常にぽかぽかするようになりました。
このように、走ると身体によい効果がいろいろあるので、サボらないようにしています。
今まで自分がやってきたスポーツは“時計”が相手のものばかりです。
タイムを競うスポーツは、やったらやっただけ結果が出るので、とても分かりやすくてよいです。
【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】
なんといっても故障したら鍼です。
おすすめですので、ぜひお試しください。
自分でやっているのは、外反母趾対策の足の指の運動です。
足の親指と人差し指を持って広げるだけなのですが、これを走る前後はもちろん、悪化を防ぐために普段から行っています。
以前はよくうずきがあって痛かったのですが、これするようになってから痛くなくなりました。
外反母趾の方におすすめしますよ。
【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】
レースの時必ず飲むのが「アミノバイタルPRO3600」です!!
フルマラソンのときは、走る前と途中に飲むことで、疲れにくくなります。
経験上30キロ地点くらいからその違いを感じ始めます。
長いレースに出ると、足の裏に 巨大な水ぶくれがよくできました。
この水ぶくれ予防に役立ったのが「コンピード」というパッドです。
かかと用と指用があり、擦れを軽減してくれるので、これを使うようになってから水ぶくれにならなくなりました。
アイテムではないのですが、おすすめの治療法があります。
走るとよく爪がはがれる方がいると思いますが、そうならないようにするためには、はがれる前の痛んでいる段階で処置が必要です。
痛みの原因は、爪と皮膚の間に入っている水なので、消毒した安全ピンなどで爪に穴を開けて水を抜くと、痛みが消えて爪がはがれることもありません。
そのままにしていると爪がはがれてしまい、回復にも時間がかかるので、放っておかないほうがよいです。
ちょっと荒いけど、これは効果があるのでおすすめです。
まめも同じように、できたらすぐその場で水を抜いた方がよいです。
【走るときに気を付けていることはなんですか?】
寒いときは身体が冷えないよう、ネックウォーマーで首を温め、帽子をかぶり手袋をします。
この3点があれば寒くないです。
姿勢は走るときだけでなく、一日中常に気を付けるようにしています。
身体に軸を一本決め、腰の少し上に力を入れると、おなかがへこみ“ぴっ”として、身体がまっすぐになります。
長い距離を走るときは、特に姿勢が重要になりますが、体幹がしっかりしているとぶれずに良い姿勢で走ることができ、呼吸もきちんとできるようになります。
日焼けに関しては、みなさん対策をしていると思いますが、私は夏は焼きたい方なので全くケアしていません。
レースがあるときは、三日前からカーボローディングをします。
炭水化物を積極的に多めにとり、肉類はあまりとらないようにします。
肉類を摂取してはいけないということではないのですが、肉をメインにすると逆にパワーが出なくなってしまうので、パスタや米などの炭水化物を多く摂取するようにします。
フルマラソンに出るときなどは、特に気を使ったほうがよいですよ。
そして、レースのときは、私の好きなオレンジ色を、必ずウェアのどこかに入れるようにしています。
色によって人に与える影響は様々ですが、私にとってオレンジ色は元気の元です。
【練習内容とおすすめのランニングスポット】
ほぼ毎日、午前中に10キロ前後走ります。
おすすめスポットは川沿いのコースです。
水の音を聞いて走るととても落ち着き、リラックス効果がありますよ。
【けがや故障、過去の失敗談について】
初めて出た大会が松島ハーフマラソンの10キロの部で、今から20年以上前です。
そのレースのときに足を痛めてしまったのですが、ただの筋肉痛だと思い放っておいたら、実は肉離れだったらしく、今頃になって再び痛み始めました。
今までは筋肉がかばっていてくれたので、痛まなかったのだと思いますが、最近筋肉が落ち出した途端にまた痛くなってきたのです。
当時はとにかく走りたくて、ケアの時間すらも削って走っていましたが、ちゃんとストレッチやアイシング、マッサージをしていればよかったと思いました。
それと一度、トライアスロンの時に、極度の貧血だったことに気づかず参加したことがあります。
どうにかがんばって完走したのですが、当然ビリの方で過去最低のタイムでした。
レース後病院に行き、先生にトライアスロンのレースに出てきたと言ったらビックリされました。
特に運動をしている女性は貧血に注意してください。
【継続するために工夫していることはありますか?】
辛い練習はしない!!
もちろん体調もその日によって違うので、身体と相談しながら無理のないトレーニングをするようにしています。
自分が一番心地よいペースで練習すると、身体がすっきりして気持ち良くなり、汚いものが出ていくような、とても気持ち良い汗をかくことができます。
とにかく辛くならないよう、無理はしないようにしています。
【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】
家やどこでもできるスクワット、腹筋、腕立て、もも上げなどの筋トレをしています。
【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】
長く続けるためには、とにかく無理をせず、気持ち良いと感じるペースで続けてください。
無理をしてけがをしたら元も子もありませんから。
なにも目標がないとダラダラになってしまうので、なれてきたらレースに申し込んでみて下さい。
練習にも気合が入りますし、なんといってもゴールした時のあの達成感を、一度味わってみるのはよいと思います。
そして、走っているときの呼吸法のアドバイスがあります。
息をするときは、吸うことより吐くことを意識するようにしてください。
吐けば自然に空気は入ってきます。
吸うことを意識し過ぎると、逆に肺が開かず吸い込めなくなります。
【印象に残っている思い出はありますか?】
旅行がてら、外国でいろいろローカルなレースに出て走っています。
イタリア、ニューカレドニア、ジャマイカ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、タイ、バリ、フィジー、グアム、サイパンなど、基本、暑い時にしか走りません。
フランスの大会では前夜際に牛追いがあり、エイドにはワインが沢山並んでいて、ゴールには乾燥イチヂク(初めて食べて以来、大好物に!)が大量に山積みにされていました。
また、ロサンゼルスの北、サンタクラリタでは、スタートの先導車がハーレーに乗ったおじいちゃん達でした。
中でも一番印象に残っているのが、北米のNFLチーム「グリーンベイパッカーズ」の本拠地、ウィスコンシン州でのレースです。
レースの途中でスタジアムを一周するのですが、スタジオ内にはマスコットやブラバンなど沢山の応援団がいて、本当にビックリしました。
なんだか涙が溢れてきて、とても力をもらいました(こんな大会を是非、仙台でも開催したいですね)。
ネットで探してみると、メジャーなマラソンツアーでは体験できない、楽しいレースが沢山ありますよ。
知らない土地に行くまでのアクセスを調べたり、現地で美味しいものを食べたり、走りながら観光したりするのは本当に楽しいです。
是非、みなさんも挑戦してみて下さい。
【取材者から一言】
小学生のころから、ずっと運動を続けている清野さんは、いつも元気でパワフル、そして優しいママさんランナー!!
お話をしていて、私もたくさんのパワーをもらいました。
そんな清野さんのお店「インパクト」は国分町にあります。
おいしいお酒はもちろん、ランニングに関することや、いろいろな楽しいお話が聞けますよ。