【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】
“走る=速くないとダメ”
と思っている人が多いかもしれませんが、走り始めたばかりのころはそれがプレッシャーになり、継続するのが難しくなることもあるので、自分のペースで楽しむことが大事だと思います。
運動することに慣れていない人は、まず歩いて身体を慣らすと徐々に歩くスピードも上がり距離も延びて走り出しやすくなります。
やはり歩くことは基本なので、少しずつステップアップして走りにつなげていくという始め方がよいのではないかと思います。
私は今でもふだんからよく歩くように心がけています。
そして走れるようになったら、安くてもよいので自分の足に合うランニングシューズを用意しましょう。
けがを防ぐためにも専用のシューズは必須アイテムです。
【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】
通っているスポーツジムのトレーナーさんに、ランニングサークルに誘われたのがきっかけです。
その時はまだ走ることに興味がなく、ジムでも筋トレなどをメインでやっていたので「あまり走れないから」と言って断ったのですが、その方が何度も声をかけてくれたので、なんとなく参加してみました。
それからサークルの方たちと西公園などを走ってみましたが、この段階ではまだ楽しいと感じるほどではなく、とりあえず始めてみたという感じでしたね。
その後しばらくそのサークルでの活動を続けたのですが、あるときそこで出会った方が、ある有料ランニングクラブの説明会に私を誘ってくれたので一緒に参加してみました。
最初は何気なく聞いていたのですが、だんだん“やってみようかな”という気持ちになり、結局そのまま二人とも入会してしまいました!
最初は分からないことも多く、なかなか友達もできませんでしたが、徐々にレベルアップし走れるようになってくると、だんだん走るのが楽しくなっていきました。
そのころには仲間も少しずつ増えて、一緒に走ったり情報交換をしたりと、環境もよくなっていき、自分ではあまり実感がなかったのですが、周りから「ハマってるね」とよく言われたのを覚えています。
私の場合楽しみながら続けていくうちに、気が付いたらハマっていったという感じだと思います。
なので、最初は特に大きな目的や目標は掲げてなかったのですが、大会に出るようになり記録を気にするようになってからは、自己ベストの更新を目標に走っています。
【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】
最近はアスリートの方も取り入れていると言われている、アクティブストレッチ(動的ストレッチ)がおすすめです。
アクティブストレッチは身体を大きく動かすストレッチで、身体が温まりやすく心拍数も上がりやすいので、寒い時期やレース前にもおすすめです。
大股で腰を低くして歩いたり腕を大きく回しながら歩いたり、また肩甲骨周りを動かしたりと、動きが大きいのでちょっと目立ちますが、練習時やレース前にやるようにしています。
走った後は、以前よく痛めていた腸脛靭帯やももを伸ばすストレッチをし、氷のうでアイシングもしています。
痛みがひどいときはコールドスプレーを大会に持参していたこともあるんです。
けがや故障予防のためにも走る前後のケアはちゃんとした方がよいと思います。
【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】
日差しが強いときはサングラスをつけて走った方がよいと思います。
目から入る紫外線は疲労へとつながり、パフォーマンスにも影響するからです。
実際、私はサングラスをかけるようになってから疲れにくくなりました。
紫外線は肌への影響もあるので、サングラスを持っていない方も、一年を通して日差しの強い時間帯に走るときは、キャップだけでも被った方がよいと思います。
ソックスは5本指のものがおすすめです。
ふつうのソックスを履いていた時は、指同士がぶつかってタコができたり、爪が当たって出血したことがあったのですが、5本指ソックスに替えてからは指が自由に動くのでけがが減りました。
私が使っているタビオのレース用ソックスは、薄くて裏に滑り止めもついているので、力が入りやすく走りやすいです。
そして走る前後はサロメチールをよく使っています。
サロメチールは塗り薬で、ホットとクールタイプがありダメージや疲労を軽減してくれます。
寒いときは、走る前にホットタイプを塗ると筋肉がじわっと温まるので、痛くなりそうなところや気になる部分に擦り込みます。
走り終わった後はクールタイプを使って、クールダウンします。
ただこのサロメチール、かなり臭いので注意してくださいね(笑)
【走るときに気を付けていることはなんですか?】
日焼け対策は季節に関係なく一年中しています。
以前3月の大会に出た時、冬だからと油断してノースリーブで走ったら、日焼けの跡がくっきりついてしまい、冬でも日焼けすることが分かりました。
それ以来、日中走るときはいつでも、露出している部分全体に日焼け止めを塗っています。
夜走るときは、明るめの色やリフレクター(反射材)のついているウェアを着て、鈴を持って走っています。
この鈴は自分の存在を他の歩行者に知らせて、驚かせたりぶつかったりしないようにするために持ち歩いています…が、紐が切れてしまって使えなくなってしまいました。
最近はスマホを見ながら歩いている人や自転車も多いので、車以外にもいろいろ気を付けて走るようにしています。
また、横断歩道を渡るときはスピードを落として走ります。
ペースを落とすのがいやな人もいると思いますが、歩行者優先ですし急に飛び出すのは危険です。
またドライバーがいつも自分の存在に気付いてくれるとは限らないので、自分がいつでも止まれるように心がけています。
そして一番気を付けているのは、無理をしないことです。
疲れている時、やる気がおきない時に走ると、モチベーションが下がりケガをする原因にもなるので、そういうときは無理に走らないようにしています。
【練習内容とおすすめのランニングスポット】
走る頻度は週に2~3回で、平日は夜、土日は昼間に走ります。
距離は練習内容によって異なりますが、平均10キロくらいを目標にしています。
大会前は大会当日から逆算してメニューを考え、走る距離もその大会に合わせて変えています。
おすすめスポットは、日中だったら台原森林公園や七北田公園は車も信号もないので走りやすくてよいと思いますよ。
夜は、特に女性の方は外灯がある明るい大通りがよいと思います。
街なかだったら東二番町通りや、仙台駅東口からKoboスタ方面に向かう大通りは人通りも多く、歩道幅も広いので安心して走れると思います。
という私はよく川内周辺を走るのですが、けっこう暗いので女性にはあまりおすすめできません(笑)
【けがや故障、過去の失敗談について】
2011年にあるランニングイベントに参加し、初めて20キロ以上走ったのですが、ひざに負担がかかってしまったようで腸脛靭帯を痛めてしまいました。
その時は痛くなかったんですが、その後スポーツジムのトレッドミルで走っていたら、左ひざに激痛がはしり走れなくなってしまったんです。
でも走っていないときは痛みが引くので、大丈夫かと思いその後も何度か走ってみたのですが、走りだすと必ず痛み出し、クラブの練習会ではあまりの激痛で全く走れなくなってしまい、それから1年以上満足に走ることができませんでした。
それでもなんとか細々と練習を続け、2012年3月に初めてフルマラソンに挑戦したのですが、この時なぜか痛みが右足から左膝に移り、交互に痛むようになってしまったんです。
なんとか無事完走することはできたのですが、もうなんだかよく分からなくてどうしたものかと思ったので、接骨院で調整をしてもらい、入念にストレッチをして着地の仕方を意識して走るようにしたところ、徐々に症状が治まってきて、ようやく痛みから解放されました。
失敗談は、大会当日に寝坊してしまったことです。
しかも県外の大会で、朝友人を迎えに行く約束をしていたのですが、なんと目が覚めたのがその友人を迎えに行く時間だったんです!!
前日に準備をしていたので、すぐ着替えて家を飛び出し無事間に合ったのですが、ふだん寝坊することがないので、起きた時はそうとう焦りましたし、一緒に行った人にも驚かれました。
大会前日はいつも必ず緊張して不安になるので、朝起きれないということがなかったのですが、この時だけはなぜか全く緊張せずとてもよく眠ることができ、ちょっと寝すぎてしまいました(笑)。
【継続するために工夫していることはありますか?】
いろいろな楽しみを取り入れながら取り組むようにしています。
普段は一人で走ることが多いのですが、たまに友達と名取のビール園までジンギスカンを目指して走ったり、日本シリーズのときはKoboスタ周辺を走って、球場の周りをぶらぶらしたりもしました。
またフルマラソンの前に、地下鉄の泉中央駅から富沢駅の往復ランというのをやりました。約30キロあるのですが、みんなそれぞれ走力が違うので、途中で抜けたい人などは地下鉄で帰れますし、駅にはトイレもあるので安心して走ることができます。
一人で練習するのも苦ではありませんが、たまに友達と一緒にマラニックをしたり、飲食店を目指して走ったりと、いろいろ楽しみながら続けています。
【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】
スポーツジムに週に5回くらい通っています。
筋トレをしたりトレッドミルで走ったり、スタジオレッスンでは体幹を鍛えたりしています。
【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】
“走ってみたい”と思ったときに始めるのがよいと思うので、そのタイミングを逃さないことですね。
そして “がんばりすぎない” “無理はしない” これが大事です!!
継続するためには自分がやりたいという気持ちになることが大事なので、特に最初は走りたいと思ったときに走ればいいと思います。
無理をしてけがをしたり、嫌になってやめてしまうのはもったいないので、無理は禁物です。
また、練習を続けているとだんだん距離が延びたりタイムが縮んだりして、節々で達成感を味わうことができます。
これは走ればみんな味わえるものですが、成長していく自分を感じることができるのも走ることの良いところだと思うので、ぜひ楽しみながら続けてください。
【印象に残っている思い出はありますか?】
初めてフルマラソンに参加したとき、途中でひざが痛くなり不安を感じながら走り続けたのですが、歩かずに完走できたことがとても印象に残っています。
ゴールした時はかなりグッときましたね。
初めてのフルだったので、走る前はゴールした後にいったいどういう気持ちになるのかということをよく考えていました。
あまりの辛さに“もういいや”と思うのか、それとも楽しくて“また走りたい”と思うのか。
結果的に私の場合は後者でした。
ゴールした時の達成感と感動は、普段の生活ではなかなか味わえないものでしたし、楽しかったのでまたチャレンジしたいなと思いました。
逆に悔しかった思い出は、2012年北海道マラソンで歩いてしまったことです。
今までフルマラソンで歩いてしまったのは、この一回だけ。とても悔しかったです。
状態がよくなかったというのもあるのですが、一度歩いてしまうとそこで気持ちが折れてしまい、なかなか走る気持ちになれずけっこう歩いてしまいました。
このときの悔しさをばねに、またエントリーしてリベンジする予定です。
【取材者から一言】
腸脛靭帯、私もやりました。
走るたびに痛くなるので、走るのが怖くなりますよね。
私はしばらくペースを抑えるようにして、Qちゃんのランイベントで教わったストレッチでよく伸ばすようにしたら痛くなくなりましたよ。
私はフルマラソン未経験ですが、歩くのはやはり悔しいですよね。
がんばり過ぎずがんばって、ぜひリベンジしてください!!