【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】
ふだんあまり運動をしない人は、生活のなかで身体を動かす頻度を増やすことから始めてみてください。
一駅歩くなど、一日10分程度の時間でもよいので、少しずつ運動量を増やしていきましょう。
速めのウォーキングやストレッチなどもよいですが、最初は距離や時間を目標にせず、無理をしないように続けてください。
三日くらいやると飽きてしまう人が多いので、三日できたら記録をつけて、また三日やってみるというやり方をおすすめします。
続けるのになかなかいいんですよ。
目標は達成できないと嫌になってしまうので、超初心者の方は最初は目標を立てない方がよいと思います。
ちょっとずつでよいので、距離を伸ばしたり動く時間を増やしたりしてみてください。
人間の身体は徐々にしか進歩しないので、急に変化はしません、だんだん身体が変わってきます。
初心者向けのクリニックや教室もいろいろ開催されていて、私も小出監督のレッスンを受けたり、本でいろいろ調べたりしました。
とりあえず自分でやっても走れますが、フォームがバラバラになってしまうこともあるので、自己流で間違ったやり方をしてしまうのが一番危険だと思います。
ですので、初心者の方にはスクールなどに通うこともおすすめします。
【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】
きっかけはダイエットのためです。
体力もなかったのでスポーツジムに入って、筋トレやバイクでのトレーニングをしました。
ちょうどその時ジムにトレッドミルが導入されたので試してみたところ、楽しくて走ることにハマってしまいました。
でも続けていうるうちに、だんだんトレッドミルにも飽きてしまったので、松島ハーフマラソンの5キロの部に申し込み、ロードでの練習を始めました。
外を走ることでさらに楽しくなり、ペースも速くなっていったことを覚えています。
筋トレをしていたので、ある程度基盤ができていて走りやすかったのですが、実際のレースはアップダウンがありけっこうきつかったです。
今の目標は仙台国際ハーフマラソンで80分を切ること、そして昨年ランニングインストラクターの資格を取ったので、正しい走り方と走る楽しみをみなさんに伝えていきたいと思っています。
やり方を間違って、けがをしてやめてしまうのは非常にもったいないことだと思います。
今は楽しみ方も様々で、ストイックに走り記録更新を目指す人もいれば、仮装に力を入れる方などもいますよね…私もレディガガの格好で走ったことがありますが(笑)。
自分の目標・目的に合った練習をすることが大事だと思います。
それと、宮城県はメタボ率が高いので、走ることの楽しさを広め、メタボを減らします!!
【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】
ストレッチには3つのタイプがあります。
動きのあるものと、静止するもの、そして反動をつける方法です。
走る前は身体を使いやすくするために、動きのあるストレッチをおすすめします。
肩甲骨や股関節、アキレス腱(ふくらはぎ)は必ずやりましょう。
走った後は静的ストレッチといって、止まって伸ばすストレッチがおすすめです。
静かに伸ばすことによって筋肉がリラックスしますが、走る前にはあまり向かないので気を付けて下さい。
【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】
サプリメントの「ベスパ」です。
値段はやや高いですが、天然素材にこだわったとても良質のサプリメントで、レースの時にとても活躍します。
何種類かあるのですが、「ベスパプロ」は初心者には不向きですので気を付けてください。
発汗作用があるので、慣れない方が飲まれると脱水症状になってしまう可能性もあります。
ビギナーの方でも安心してのめるのが「シトリックアミノ」です。
走る前に飲むことにより、運動中に脂肪をより燃焼してくれます。
そして疲労時にはこれ!!「エアサロンパス」です。
アイシング効果があるので、レースなどで筋肉が疲労した時に使います。
筋肉は、長い時間負荷がかかると炎症するので、冷ます必要があります。
そんな時におすすめのアイテムです!!
【走るときに気を付けていることはなんですか?】
フォームです、というかフォームに限ります!!
フォームはみなさんそれぞれ癖があるので、注意しなければいけません。
基本的に長い時間走り続けると、フォームは必ず崩れます。
それはしょうがないので、割り切りましょう。
身体に負担がかかって疲れてくると、自分の癖になっている楽な格好にどうしても戻ってしまいます。
崩れたまま走るとけがや故障にもつながりますので、ちゃんと崩れたことに気づくことと、それを戻す作業が必要になります。
走りながら背伸びをするとか、ペースを落とすだけでも身体を痛めるリスクは減ります。
フォームは意識するだけでは直りませんし、常にフォームを意識し続けること自体まず無理だと思います。
崩れたことに気づき、直し方や直すコツを知ることが大事です。
【よく利用するお店はどこですか?】
あすと長町のゼビオはサプリが多いのと、酸素カプセルがあるのでたまに入ります。
運動後の疲れが取れ、とても気持ちがよいのでいつも寝てしまいます。
ステップスポーツはランニング専門店ということもあり、シューズの量はピカイチですね。
スタッフのみなさんも知識が多くたのもしいです!!
【練習内容とおすすめのランニングスポット】
練習内容は、次のレースやその時の状態に合わせて変えています。
例えば、今年の冬のように雪が多くて走ることを少し休んでしまった後などは、体力回復のために走る量を増やし、長めに20キロくらい走ります。
練習は量と質のバランスがとても重要です。
様々な練習法があるので、距離や時間だけを前提に考えない方がよいと思います。
量だけではスピードが上がりませんし、スピード練習だけでは距離が伸びません。
きちんとメニューを考え、目的に合った練習をし、その内容に合わせて意識することを変えることが大事です。
距離・時間で考えるより、練習の内容をきちんと決めることをおすすめします。
上り坂でのダッシュはおすすめの練習法ですよ。
80%のスピードで登って、下りはゆっくりジョギングで降りてきます。
この練習はフォームの改善にもつながり、こじんまりしたフォームの人などはいろいろなところが動くようになります。
おすすめのランニングスポットは水の森公園です。
ストイックにコツコツ、一人で走るのにおすすめの場所です。
足元も柔らかいのでけっこう走りやすいと思います。
スピード系の練習をするなら若林緑地がおすすめです。
こちらも表面が柔らかく走りやすいコースです。
【けがや故障、過去の失敗談について】
初めて参加したレースの後の練習でひざを痛めてしまい、3ヵ月間走れなくなったことがあります。
膝は一回けがをすると癖になってなかなか治らないので、太ももやふくらはぎの筋肉でサポートすることが必要になります。
筋力トレーニングをし、フォームを改善することによって、ようやく痛まなくなりました。
それと、トレーニング中楽しくて飛ばし過ぎてしまい、階段で捻挫したことがあります。
靭帯が2~3本切れ「あと一本切れたら歩けないよ」と医者に言われました。
これも治るまで4か月くらいかかりましたね。
走っているだけの人はけがが多いと思います。
逆に他のスポーツも一緒にしている人はけがが少ないようです。
走る以外の動きを取り入れるとリスクが減るので、ぜひおすすめしたいのですが、もし難しい場合は筋トレがおすすめです。
筋トレをすると筋肉は固くなるイメージがあると思いますが、実は動きに対しては柔らかくなるんです。
失敗談は、全く練習なしでフルマラソンのレースに出たことです。
一か月くらい走らなくても大丈夫だろうと思っていたのですが、やはり練習しないと息切れがひどく、へろへろになってしまいました。
筋肉痛もひどく、回復に時間かかってしまい次のレースにも影響しました。
それまでレースは5キロ、10キロと少しずつ距離を伸ばしていったのですが、ハーフを飛ばしてフルに参加してしまったのもよくなかったのかもしれません。
完走はしましたが、きつくて足が動かず最後は歩いてしまいました。
レースの距離も段階を踏まないとだめなんでしょうね。
【継続するために工夫していることはありますか?】
ウェアなどに凝ったり、ランニング雑誌を読んだりすることです。
アイテム購入はモチベーションアップにつながるので、よいと思いますよ。
天候が悪く走れない日が続いたときなどは、スポーツショップでいろいろ見たりするだけでも全然違います。
また、続けていると少しいやになってしまうこともあると思いますが、そんなときは無理やりレースに申し込みます。
少し変わったレースに出てみたりするのも楽しいですよ。
【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】
体幹を鍛えるために家で筋トレをします。
身体をかっこよく見せる筋トレなどがあるので、サイトで調べて実践しています。
【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】
とにかく超初心者の方は最初から走らないことです。
ふだん全然運動をしない方は、そう簡単に走れるとは思わない方がよいです。
実際やってみると意外と走れてしまうものですが、けがをしたりフォームに癖がついたりして後々大変です。
フォームがよくないとけがの原因にもなるので、きちんと直す必要がありますが、後から直すのはすごく大変で、時間もかかります。
ですので、正しいフォームで走れるようになるまでは、無理をしないようにしてください。
まずは日常の生活で動く時間を増やしたり、ウォーキングをしたりすることから始めた方がよいと思います。
また、ランニングはジャンプ運動なので、ちゃんとジャンプができないとうまく走れません。
早く走りたい気持ちは分かりますが、焦らずゆっくり始めてみて下さい。
走るということはシンプルですが奥が深いものなのです。
【印象に残っている思い出はありますか?】
やはり、昨年インストラクターの資格を取得したことです。
いろいろ勉強したことによって、自分の考え方や走り方も変わりました。
もともと独学でランニング理論や、トレーニング方法などを勉強していたのですが、イベントなどで教える時に、ちゃんとした資格があった方がよいなと思ったことがきっかけです。
はじめはそういう資格があることも知らなかったのですが、いろいろ調べて学習し昨年取得しました。
ランニングに関しては、意識したり注意したりすれば直ると言われていることがありますが、それだけでは直らないどころか、実際意識し続けること自体が無理で、勉強を進めるにつれ、それぞれにはきちんとした直し方があるんだということが分かりました。
人の走りを見て気になる点を指摘するだけではなく、その直し方をきちんと教えるところまでが私たちの仕事です。
言葉だけで伝えるのは非常に難しいときもありますが、身体で覚えてもらうためにきちんと伝えていかなければならないと思っています。
【取材者から一言】
独学でランニングについて学び、昨年資格を取った髙橋さん。
取材中も、走ることへの熱い想いが伝わってきました。
「みなさんの走りたい気持ちを全力でサポートしたい」という髙橋さんのレッスンを、ぜひみなさんも受けてみましょう。