【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】
少しでもジョギングやランニングに興味があるのなら…
「夢や目標を持って始めてください!!」
目指すものは高ければ高いほど良いと思いますが、最初は無理のない程度に目標を設定しトライしてみてください。
例えば「見渡せるくらいの公園を休まず1周走る!」程度の目標でしたら、普段着とスニーカーで徒歩から練習を始めても必ず達成できると思います。
まずは小さくてもよいので、設定した目標をクリアする喜びと成長を楽しんでほしいと思います。
そして1周走れたら次は3周!その次は3キロ走ってみる!!5キロの大会で完走する!!!…
と、徐々にステップアップしていけばよいと思います。
途中で壁にぶつかったり、挫折したりすることもあるかもしれませんが、趣味ですから、焦らず楽しんで続けてください。
その過程でシューズやウェアなどのアイテムもステップアップしていけば、無駄や無理がなく楽しく続けられるスポーツだと思います。
アイテムに関してですが、シューズ選びはとても重要なので気を付けましょう!
それ以外のアイテムは、そんなこだわらなくても何とかなりますが、シューズだけはちゃんと自分の走力や目的、そして足に合ったものを選びましょう。
【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】
1996年の夏に何気なく観た「24時間テレビ」で、赤井英和さんが100キロマラソンに挑戦していました。
この放送を観た私はモーレツに感動し、学生時代の同級生と酒を飲んでいるときに、その想いを熱く語ったのですが、その友人から一言
「あんなの誰でもできるべ!」
と信じられない反応が…
これが原因で、その友人と熱い口論となってしまったのです。
私:「じゃ、お前やってみろよ(怒)!」
同級生くん:「あんなの誰でもできるべ!」
私:「よし、じゃ1年間練習期間与えるから、オレと勝負だ(怒)!」
同級生くん:「やってやるっ!!」
まさかこんな話になるとは思っていませんでしたが、お互い後に引けなくなってしまい、1年間練習期間を設けるということで、100キロマラソンにチャレンジする事になってしまったのです。
もともと「小学6年間連続リレーの選手」&「高校3年間陸上部」という輝かしい?過去と脚をもってはいましたが、長距離は苦手で、一番長くても高校の校内10キロマラソン大会で走った程度でした。
結局1年間の練習期間でも10キロ以上走ったことはなく、短い距離をコツコツ走る練習ばかりしていました。
今考えればウルトラマラソンどころか、フルマラソンの知識も経験も無かったので、まったくもって無謀な挑戦でしたね(笑)。
しかもこのころマラソンはまだ今ほど人気がなく、ましてウルトラマラソンは大会自体も少なかったので、自作のコースで勝負をすることにしました。
事前に何度も車で試走をして距離を測り、休憩ポイントなどを決めて、100キロのコースをとりました。
そして本番用にと、直前にゼビオにシューズを買いに行ったときのこと。
店員さんに「100km走るんですが、なんかいい靴ありますか?」と聞くと、その店員さんの目が点になってしまっていたので、「え~と、じゃあアシックスの一番高い靴をください!」と言って、結局手にしたシューズは、レース向きで底が薄く、ウルトラマラソンには全然向かない、アシックスのターサーでした。
何も知らなかった私は「こんな軽い靴ならどこまでも走れそうだ!」とその時は大満足しました(バカですね…)。
そして1997年8月12日、スタートの日…
なぜかスタートラインには立たず、ママチャリに乗っている同級生くん…
“?”と思い、聞いてみると、勝負はせずママチャリに乗り私のサポート役で伴走参加するというのです!!!
“しょ、勝負するって言ったじゃないかぁ!!”と思いましたが、まあ仕方がないので一人で走り始めました。
初めは快調でしたが、この日はとても暑い日で、途中気が狂いそうになるほどのどが渇き、しかもコンビニも何もないところだったので、どうしようかと思い、なんの当てもなかったのですが、山の中に入り湧水を探しました。
すると、なんと幸運なことに、そこにたまたま湧水があったので、夢中でそれをすすって飲みました。
本当にのどが渇いたときというのは、どんな空腹時よりも辛いということをその時学びました。
気を取り直して再開しましたが、その後も暑さとの戦いは続き、途中でほとんど熱中症のようになってしまい、耐え切れず85キロくらい走ったところでリタイヤしてしまいました。
暑さと私の練習不足が原因だったことは否めませんが、しかし!
リタイヤの最大の原因は、サポート役の同級生くんがチャリに乗っていたにもかかわらず、チャリに乗っていたにもかかわらずですよ、なんと私より先にリタイヤしてしまい、サポートなしで走り続けなければならなかったからだと思っています(笑)。
なんとも面白い同級生くんです。
え~、長くなりましたが、これがきっかけとなり、長距離を走る能力を身につけた私は、その後市民マラソン大会などにエントリーするようになり、『ランナー』として成長し始めるのでした。
…って、これ全然ビギナーの人の参考にはならないですね(笑)。
【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】
専門的な事はわかりませんが、お風呂を有効に活用すると疲労が軽減されるのでおすすめします。
特におすすめなのは、走った後に足に水とお湯を交互にかけることです。
これを4~5回繰り返すと、翌日筋肉痛が起こらず、疲労も残りません。
これは登山の時に、より顕著に違いが分かりますね。
私は地元の磐梯山を何回も登っているので、このケアをした時としなかったときの違いがはっきり分かるようになりました。
お風呂でのマッサージも効果があるのでおすすめします。
この時ポイントになるのが、疲労している部分を、身体の端から中心の心臓方向へマッサージすることです。
これは学生の時部活で教えられて今でも続けています。
ここ数年は温泉にハマっていて、よく日帰り入浴をするのですが、ただ入るのでは物足りないので、温泉宿に車を止めて、外を散々走ってから入浴しています。
サウナがあるところだと水風呂があるので、水とお湯に交互に入ってケアをすることもできます。
よく大会の後にサウナ付の温泉に寄ると、同じことをしているランナーさんがいますよ(笑)。
走って疲れた後に入った時の気持ち良さはたまりませんよね、最近はそんな一石二鳥?のランニングも楽しみの一つです。
【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】
去年購入した「GPSウォッチ」が最近の大ヒットです!
ラップや距離はもちろん、1キロを何分ペースで走っているかも確認できるので、まるで車のスピードメーターを見ながら走っている感じです。
さらに目標タイムを設定すると、バーチャルトレーナーが液晶に現れ、自分との差を距離や時間で表示してくれるので、安定したペースで走ることができます。
これ一本で、去年はいろんなマラソン大会で自己ベストを更新しました(それも意外と楽に!!)。
正直こんな簡単にベスト出るの?というくらいの感じでしたので、タイムを気にし始めたら、GPS時計は買った方がいいと思いますよ。
続いてのおすすめアイテムは、タビオスポーツの「5本指ソックス」です。
ウルトラマラソンなど距離が長いレースでは、通常何かしら足にトラブルが起こるのですが、このソックスを履いたらトラブルなしで最後まで走ることができ、驚きました。
ソックスにしては奇妙な形をしておりますが、かなりのスグレもの(死語)です!!
そしてもう1つのおすすめは、「音楽プレーヤー」です。
音楽だけでなく、ラジオ番組やラジオドラマなどを聴きながら走ると、つい夢中になり疲れを忘れてしまいます。
最近は落語を聴きながら走ることもあり、気づくとニヤニヤしながら走っています(笑)。
以前は興味がなかったのですが、会社の人にすすめられて聴いてみたら、これがけっこう面白くて。
特に立川志の輔さんが好きですね!!
最近考えているのは、聞くだけで英語が話せるようになるという「スピードラーニング」!!
これを聞きながら走れば、英語もマスター出来るんじゃないかと思い、密かに計画しております。
【走るときに気を付けていることはなんですか?】
ん~、フォームでしょうかね。
「体幹ランニング」を目指して、肩甲骨を使った腕振りや丹田(へその下のあたり、全身の精気の集まる所と言われている場所)に意識を込めて、猫背にならないように走る…まあ、自己流なんでこのくらいなんですが、3ヵ月くらい続けたらだんだんコツがつかめてきて、半年後にはグンとタイムが良くなったんですよ。
今までどれだけ適当に走っていたんだろうと思いました。
以前会社の人と一緒にウルトラマラソンにエントリーしたときには、初めて挑戦する人もいたので、こういった自分の経験を踏まえ、「ウルトラマラソン完走メソッド」というメルマガを大会直前まで配信したことがあります(笑)。
経験者からのアドバイスということで、役に立ったのではないか…と思っています(笑)
【よく利用するお店はどこですか?】
特に決まってはいないのですが、ゼビオ各店やスポーツデポに行くことが多いですね。
実は今まで知らなかったのですが、今回ランナーズボイスを見て、一番町の「ステップスポーツ」の存在を知り、気になってます!
今度行ってみたいと思います。
【練習内容とおすすめのランニングスポット】
距離は平日は3~5キロ、土日は10キロくらいで、朝ランがメインです。
平日は距離が短いですが、きつい坂ダッシュも取り入れているので、けっこう負荷のかかった練習をしています。
そして、私は天候に関係なくどんなことがあっても365日走っています…
が、昨年は39℃の熱を出したとき、ちょっとだけならと思い朝に1キロくらい走ったら、さすがに奥さんに怒られまして、その後3日間休みました。
ランニングスポットは、主に台原森林公園~幸町のガス局近辺を走っています。
上り坂が苦手でなければ、晴れた日の朝の青葉城址も爽快感がありおすすめですよ。
ちょっと坂が辛いかもしれませんが、「登ってきた甲斐あるな~」と思えるほどきれいな景色を楽しめます。
その他、時間があれば仙台市内の神社仏閣巡りを楽しんだりもしていますし、出張のときは出張先でも走っています(いつも自分だけ荷物が大きいです(笑))。
特に神社仏閣には長い階段がありますよね、これがけっこうよいトレーニングになるんですよ。
最近のお気に入りは、太白区根岸交差点近くの「大年寺」の階段です。
300段もある長い階段では、よく部活の学生さんが走ってトレーニングをしているのですが、ここを片足ケンケンで登っている妙なオッサンがいれば、それは確実に私です(笑)!
足の筋肉が付くかと思い始めたのですが、300段はあまりに辛く、筋肉以上に根性がつきました(笑)。
続けているうちに、これは武士道と同じだなと思い、私は「ケン道」と呼んでいます(笑)!!
一度このケン道を大年寺の階段で2回繰り返したことがあるのですが、死にそうに辛くて、その姿を見ていた学生たちが応援までしてくれて、なんとかクリアしたのですが、疲れ果てて頭が真っ白になりました。
ケンケンの競技があったら間違いなく日本一になれるんですけどね、何かそういう大会ないですかね(笑)
【けがや故障、過去の失敗談について】
けがと言えば、一昨年に朝のゴミ出し途中で挫いた足首でしょうか…
挫いた瞬間“バキバキバキィ!”っという大きな音とともに激痛が走りました!(涙)。
もの凄い(×10)痛かったのですが、仕事が休めない日だったのでそのまま出社しました。
なかなか痛みが引かなかったのですが、一週間後にマラソン大会があったので「こんなの嘘じゃない?すぐ治るぜ!」と自分に言い聞かせ、病院にも行かずにびっこをひきながら練習していました(痛)。
しかし時間が経っても一向に痛みが引かなかったので、さすがにそのマラソン大会はキャンセルしましたが、いずれ治るだろうと思い、その後もめげずに練習は毎日していました。
そして、それからちょうど1ヶ月経ったのですが…
足首はパンパンに腫れたままで、痛みも全く引かないので“これは絶対おかしい?!”
とようやく思い、やっと病院へ行ったところ、診断された結果はなんと!
「剥離骨折」と「靭帯損傷」でした。
“どおりで痛かったんだぁ~、治るわけないや”と納得しつつ、それから3ヶ月間くらいはおとなしくしていました。
今でも冬場は足首が痛みます(涙)。
みなさん無理は禁物ですよ!(笑)。
しかし、そんな教訓もモノともせず、昨年はダッシュの練習でハムストリングス(ももの裏)に軽い肉離れを起こしてしまいました。
またまた病院には行かず、毎日練習しながらストレッチで治そうと、必死に患部を伸ばしていましたが、あまり良くならないので、後日知り合いに相談したところ「肉離れは伸ばしちゃダメだ!!」と言われかなりのショックを受けました。
毎日伸ばしていたので、治るわけがありませんよね…(涙)。
みなさん無理はホント禁物ですよ!(爆)
【継続するために工夫していることはありますか?】
やはり、夢や目標を持って取り組む事が大事だと思います。
目標があれば計画性も出るので、一生懸命取り組むようになり、無理なく継続できるのではないかと感じます。
私は性格上、走ること以外でも何かを行うときは、目標を立て計画性をもって取り組みます。
また、夢中になるとスイッチが入ってしまうタイプなのですが、夢中になっているときのエネルギーに勝るものはないですね。
努力や才能もありますが、「夢中」になることにはかなわないと思います。
もう1つ大事なことは、記録して可視化することです。
私は練習内容や体重・体調などを、かれこれ5年くらい記録しているのですが、たまに振り返ってみると、面白いことに毎年同じ時期に体調を崩しているんですよ。
なので、その時期が近付いてきたら体調管理に気を付け、予防することができるんです。
いろいろ記録をすると後から役に立つこともあり、けっこう面白いですよ。
【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】
走る事以外は、ほぼ何もできない人間だという事に、40歳過ぎて気づきました(笑)。
特に球技は「わざとでしょ!」って言われるくらい苦手です。
結局走る事しかできないので、最近は短距離にも力を入れていまして、陸上競技のマスターズに登録し、大会にも出場しています。
決して速いわけではないのですが、ずっと続けていればいつかはチャンピオンになれると信じて、挑戦中です!!
【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】
あまり参考にならない話ばかりなので、アドバイスと言われると少々難しいのですが…(笑)。
とにかく、せっかく始めたのなら長く続けてほしいと思います。
今はジョギング・ランニングの人気がすごいですが、ブームに乗っただけで終わってほしくないと思います。
きっかけは何でもよいと思うので、一度始めたのならがんばって続けてみてください。
何事も新しい世界に飛び込むと、必ずそこで新たな楽しみを発見できますし、また新たな出会いがあり輪も広がります。
最初は慣れないこともあると思いますが、目標を作り、少しずつでもよいのでステップアップし、楽しみながら続けてください!!
刺激的な世界と仲間が待っていますよ!!
【取材者から一言】
いや~佐藤さん、恐れ入りました。
自作コースでの100キロマラソンにケン道、そしてケガ。
盛りだくさんのお話に、取材の時間もあっという間でした。
面白おかしく話してくれましたが、どんなことにも楽しみながら挑戦する、
佐藤さんの前向きな姿勢を節々で感じることができました。
チャンピオン目指して短距離も頑張ってください!
でも無理は禁物ですよ!!