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※ランナーズ“Voice”は、先輩ランナーの主観的な体験談やアドバイス、意見や感想などです。
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あくまでも先輩ランナーからの貴重なお話の一つとして、楽しいランニングライフの参考にしてください!
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■掲載日 2015年1月30日
■更新日 2015年2月2日

Runner Data

Voice No. 058

>>ランナーズキャッチコピー

【 走ること=生きること、自分に負けるな! 】

  • 【お名前】 磯 由賀さん
  • 【年齢】 51歳
  • 【性別】 女性
  • 【ランナー歴】 3年7ヵ月
  • 【好きなブランド】 アディダス、ナイキ
  • 【マイランニングスポット】 七ヶ浜、加瀬沼、台原森林公園、宮スタ周辺
  • 【所属サークル】 管走会
ビギナーランナーへのメッセージ

自分のペースを知り、ロードと仲良くすることが大事です!!

【ランニング初心者の方は、まず何から始めればよいと思いますか?】

まずはロードに慣れ、ロードと仲良くすることが大事だと思います。
自分もそうでしたが、走ることに苦手意識やネガティブな印象を持っている人が多いと思うので、最初は優しいウォーキングから始めてみてはどうでしょう。
好きな場所を歩きながら景色や空気を楽しんだりして、気持ち良くロードの上にいられる環境を作り、“またロードに立ちたい”という気持ちになること、つまりモチベーションを高めることが大事だと思います。

シューズは何でもよいので、履きなれた運動靴などでウォーキングから始めて、少しずつスピードを上げ距離を延ばし、ランニングへとつなげていってみてください。

【始めたきっかけと、走る目的はなんですか?】

ランニングを始める前は、スポーツジムに10年くらい通い、約5年前からは毎日のようにヒップホップダンスをしていたのですが、震災でジムが閉鎖され、ダンススタジオも休みとなり、急に続けていた運動ができなくなってしまいました。
運動をする生活の流れをまた作りたいなと思っていたのですが、震災は仕事にも大きく影響し、しばらく不安な日々が続いたため、なかなか始めることができませんでした。

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また、震災直後は物資が不足しガソリンもなかったので、職場に歩いて通うようになったのですが、これがよいきっかけとなりました。
実はもともと走るのは苦手だったのですが、せっかく歩くのなら走ってみようと思い、少しずつ通勤時に走りを取り入れたのが始めたきっかけなんです。
走りたくて始めたわけではないので、今思うと本当になんとなく始めたという感じですね。

最初はウォーキングしながら少し走るという感じでしたが、慣れてくると自分がどれくらい走れるのか試したくなり、どんどん興味がわいてきました。
そして少しずつ距離も延び、いろいろ試しているうちに、走るのが楽しくてハマっている自分に気づきました(笑)。

今は、自分自身の記録の更新は常に頭の中にあり、いろいろな大会にエントリーして目標を定めていますが、一番の目的は“自分自身の向上”と“折れない心を作る”ことです。
走るようになってから、仕事などに対しても取り組み方や考え方が変わり、様々なことを前向きに対処できるようになりました。
心身共によい効果があるので、自分自身を高めるためにも続けていきたいと思っています。

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【必須&おすすめのストレッチやマッサージなどはありますか?】

ストレッチは走る前後はもちろんですが、それ以外でもちょっとした隙間時間があればやるようにしています。
例えば階段などの段差を利用してふくらはぎを伸ばしたり、掴まるところがあればぶら下がって、肩甲骨や腕を伸ばしたりしています。

ひざの不調でお悩みの方におすすめしたいのが、お風呂での正座です。
私もひざのトラブルが多かったのですが、これをすすめられてやってみたところ、それまで痛くてできなかった屈伸ができるようになり、その後故障も少なくなりました。
もちろん人により効果は違うと思いますが、湯船に浸かり5~10分正座するだけなので、ひざでお悩みの方は一度試してみてください。

マッサージに関しては、リンパマッサージをしている友人がいるので、主に大会前後に診てもらってケアをしています。
いつも診てもらっているので、状態が悪いときなどはすぐ分かるようです。

【お気に入り&おすすめアイテムはありますか?】

最近手放せないアイテムは、何と言ってもガーミンのGPS機能付き時計ですね。
半年ほど使っていますが、軽くて表示も分かりやすく、機械が苦手な私でも使いこなせる使いやすさが気に入っていて、走るのがさらに楽しくなりました。
おすすめです!!
脚の故障対策用としてのアイテムは、オーダーメイドのインソールがとても役立っています。
走るとよく痛んでいたところが痛まなくなり、実際故障も減ったので、使ってみてその良さを実感しています。

小物系アイテムでは、オークリーのサングラスとリストバンドは必須のアイテムです。
サングラスをかけると自分の世界に入ったような感覚があり、走りに集中できる気がするので季節に関係なく使用しています。
リストバンドはチャック付のポケットが付いているので、中にBCAA(疲労回復効果のあるアミノ酸)のキャンディとローズマリーのアロマオイルを入れて走っています。
ローズマリーの香りは心の動きをシャープにし、精神的な疲れを改善する効果があるので、走っていて気持ちが萎えそうな時に、その香りの助けを借りています。
100円ショップで購入したリストバンドですが、なかなか役立っています。

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ウェアに関しては、ランパンはポケットの多いものが使いやすいのでおすすめです。
また、意外と走っているときに落し物をすることがあるので、冬場に着る上着なんかはポケットにチャックがついているものがおすすめです。
それと、私はどこかしらに赤いアイテムを取り入れるようにしています。
赤は自分を奮い立たせてくれ、身につけると血液の循環を良くしてくれる色と言われているので、走るときはよく赤いキャップを被っています。

【走るときに気を付けていることはなんですか?】

フォームと着地を意識して走るようにしています。
以前整体で診てもらった時に、肩が内側に入っていると言われ、呼吸がしづらくなる原因にもなるようなので、それ以来姿勢を意識しています。
着地は一緒に走っていたランナーさんに “着地の時の足がASIMOみたいだよ” と言われたことがあり、それが原因でひざに負担がかかっているのかもしれないと思ったので、意識するようにして走ったら故障も減りました。
よい姿勢で目線は真っすぐ前を見て、そして決めた距離を最後まで走り切れるよう、足をとめたくなったら空を眺めたり楽しい事を考えたり、時には自分を鼓舞したりして、気持ちを繋ぐことも意識して走っています。

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あとは落し物ですね。
私は走っているときに物を落とすことが多く、今まで家の鍵や、ライト、ヘアバンド、アイポッドなど、いろいろな物を落としました。
ちゃんとポケットに入っていなかったり、出し入れした時に落ちてしまうようで、だいたいは気付いてから戻って発見していますが、これが一番気を付けなければいけないことかもしれませんね(笑)。

【よく利用するお店はどこですか?】

よく利用するのは、三井アウトレットモールのナイキやアディダスショップ。
シューズはスポーツオーソリティやデポ、ゼビオのあすと長町店を利用することが多いです。
ゼビオは、店員さんが親切でゲーターなどの種類も豊富なところが気に入っています。
アウトレットは、やはり価格が魅力的ですね!
以前、アウトレットのアディダスやナイキで購入したものを他店で見つけ、正規の価格を見てちょっとうれしくなった事があります(笑)。

【練習内容とおすすめのランニングスポット】

平日は早朝に走ることがほとんどで、5時くらいから走り始め、距離は13~18キロ、休みの日は朝8時くらいから、20~30キロ走ります。
頻度としてはよほどの悪天候の時か大会前以外は毎朝走っていますが、調子のよくないときは距離やペースを変えて調整しています。

普段走るコースは、塩釜~岩切~利府辺りで、家から近い加瀬沼公園もダッシュの練習なんかに利用しています。
加瀬沼公園のコースは1周約2キロとのことで、一部タータン舗装されている所もあり、走りやすくおすすめですよ。

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【けがや故障、過去の失敗談について】

走り始めて2ヵ月くらいで足を疲労骨折してしまい、しばらく走るのを控えるように先生から言われたのですが、わりと早く痛みが引いたのでまた走り始めたら、その2ヵ月後、ランニング中に転んでしまい、ひざを12針も縫いました。

多量の出血のわりにはなぜかタイツが破けなかったので、最初は患部の様子が分からず、そのまま走り続けたら、たまたま通りかかった近所の人がとても心配して、ひざにタオルを巻いてくれました。
帰ってからタイツを脱いでみると、骨が見えるほどひざがえぐれてしまっていて、そこで初めてけがのひどさに気づきました。
すぐ病院に行き縫ってもらったのですが、実は数週間後に初の大会(松島マラソン)が控えていたので、先生に走りたいと相談したら、当たり前ですがやめなさいと止められました。
…が、思ったより回復が早く、後日抜糸に行ったときに先生にもう一度相談すると、先生もこんなに早く治ると思っていなかったようで、走ってよいと言われ、無事楽しみにしていた初のレースに参加することができました(実は抜糸前も本番に向けちょっとだけ練習をしていたのですが…)。

不思議なのはあれだけのけがをしたのに、タイツが破けなかったことで、今でもそのタイツは活躍中です。

失敗談は…泉ヶ岳のトレイルランでのことですね。
もともとトレイルランには興味がとてもありましたが、経験するには至っていませんでした。
そんなとき、朝ランでよく顔を合わせるランナーさんが声をかけてくださり、トレイルランの練習会に一度参加させていただく事ができました。
そして、練習会での私の様子を見たそのランナーさんに背中を押してもらったということもあり、たいした経験も積まず、泉ヶ岳のトレイルランの大会で距離の長い種目にエントリーしてしまったのですが…
まずそれが失敗でした。

山を走るとロードも早く走れるようになる!
と、言葉を頂いたので、練習のつもりで走ってみると、途中から脚が全然言うことをきかなくなり、気力も風前の灯火(笑)。
しかしながら “絶対に完走する!”と踏ん張り、6時間5分かけてなんとかゴールしました。
さすがに無謀な挑戦&ハードな練習だったとゴール後は思いました。

途中で道に迷いそうになった場面もあり、たまたま近くにいたランナーさんが教えてくれたのでよかったですが、それがなければ間違いなく迷っていたと思います。
おまけにがんばりすぎてぎっくり腰になってしまい、その後出る予定だった大会をDNS(棄権)せざるを得なくなりました。
挑戦することは大事ですが、ある程度自分の能力や経験に合わせる必要があると反省しました。

【継続するために工夫していることはありますか?】

今は走ることが生活の一部になっているので、特に工夫していることはないのですが、嫌にならないよう、調子がよくないときなどは距離やペースを変えて調整しています。
気分がのらないときもありますが、走ることとは常に向き合い、仲良くしていたいので、とりあえずは外に出てみるようにしています。

大会に定期的にエントリーして、目標を設定することも大事ですね。
また、自分の目標とするランナーさんがいるととても励みになるので、くじけそうになったときはそのランナーさんのことを考えて、自分も頑張るようにしています。

時間があるときは、マラソンに関連する本を読んだり、DVDを見たりもしています。
「風が強く吹いている」という箱根駅伝の物語があるのですが、走ることの素晴らしさを学ぶことができる素晴らしい作品です。

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【ランニングのほかに行っている運動はありますか?】

脚のトレーニングやけが予防のために、スポーツジムで筋トレやマシーントレーニング、スクワットをしています。
また、ヨガの本を見ながら自宅で時々ヨガをやっています。
肺、心臓の働きを高めるコブラのポーズ、疲労回復効果がある弓のポーズ、物事にたいしてねばりがでるアーチのポーズ、肺を強化する魚のポーズなどを中心にしています。
基本的に全て走りにつなげるためのトレーニングです。

【ランニング初心者の方へのアドバイスをお願いします】

継続は力なりです!!
まずは色々な意味で自分のペースを知り(走るスピード、距離、時間帯等)、 “気持ち良く走れる!!” ということを身体と心に覚えてもらうと良いかなと思います。
そして走りきれた時は自分を誉めてあげて、次回のモチベーションへと繋げていく積み重ねが大事です。

そして絶対けがをしてほしくないので、走る前後のストレッチは必ず行ってください。
これはかなり重要です!!
私も以前は時間がもったいなくてストレッチをあまりやっていなかったことが原因で、よくけがをしました。
身体のケアにも十分に目を向けるようにしてください。

そして長く続けるためには、楽しむことが一番です!
何か付随する楽しみを自分なりに作ってみるのもよいかもしれませんね。
私のおすすめは一緒に走る仲間を作ることで、所属するサークル「管走会」のメンバーとはいつも楽しく走っています。

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また、慣れてくると分かると思いますが、走ると頭が冴えていろいろなアイディアが浮かんだり、落ち込んでいるときも走ると前向きな考えに変わり、心身ともに軽くなります。
いつも“今日はどんなことを思いつくかな” と楽しみにしながら走っています。
これも走るのがやめられなくなる要素の一つですね。

走ることで必ず新しい自分が発見できますし、自分にとってプラスになることばかりです。
時には人生が変わることもあるかもしれません。
ぜひみなさんも楽しく長く、ランニングを続けてください!

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【印象に残っている思い出はありますか?】

一番思い出に残っているエピソードは、2013年の4月に開催された、本宮ロードレースです。
当日は4月にもかかわらず大雪が降り、中止になるだろうと思いつつサークルの仲間数人と現地へ向かってみると、なんと予定通り開催とのことで、スタート前からシューズもびしょびしょでしたが、とりあえず更衣室へと向かいました。

着替えていると、DNS(棄権)すると決めていた男子メンバーさんから電話が入ったので、「もう着替えたし、一緒に走りましょう!!」と、ちょっと強引に出場を促し(笑)、足元が悪い10キロレースでしたが、最終的にはみんなで気持ち良く、ケガすることもなく完走することができました。
走る前は顔色がイマイチだった男子メンバーさんたちも、ゴール後はみんな充実感に満ちた表情で、振る舞われた美味しいラーメンを笑顔で食べていました。

悪天候のなかでのレースでしたが、「走って良かった!」とみんなで語り合った時は本当に嬉しかったです。
また、行き帰りの道中では、満開の桜の花に雪が積もり、おそらく一生のうち何回も見られない素晴らしい景色を愛でることができ、とても印象に残る思い出深い一日となりました。

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他のレースでは、東和ロードレースも思い出深いレースの1つで、有名な地獄坂は本当にすごい坂でした!!
アップダウンがひたすらゴールまで続き、 途中で心が折れかけたのですが、がんばって女子部門4位でゴールすることができました。

ゴール後の表彰式までの間に、オリンピックランナーの君原健二さんのお話を聞くことができたのですが、72歳で現役、しかも控えめな感じなのにとても芯のある方で、話の内容はもちろん、そのお人柄にもとても感銘を受けました。

表彰式では君原さんからメダルをかけてもらいとても感動し、私も年を重ねても君原さんのように楽しく走り続けたいと思いました。
その時の写真はお守りとしていつも持ち歩いています。

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それと、一つ困っていることがあります。
レース中に脚がつるのをどうにかしたいです。

サブ4から先の景色が見たい、という思いでフルマラソンを走ると必ず脚がつります。
自分なりには対策をしているつもりですがつります(笑)。
しかもふつうのこむら返りとは違うつりかたで、なんとも表現しにくいのですが、“おかしいな” と思うと途端に強烈なのがやってきてどうしようもなくなってしまいます。

距離の長いレースにおいては、記録を阻むある意味一番の敵というか魔物というか…
脚がつらない良い方法があったら教えて頂きたいです。

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【取材者から一言】

こむら返り…おっかないですよね。
私も仙台ハーフの残り1キロ地点で足がつり、どうしようもなくなりました。
練習ではつらないのに、本番でつるのも不思議です…まさに魔物ですね(笑)。

磯さんの走りに対する姿勢は素晴らしいですね!
私もなんだか気が引き締まった感じがしました。
けがと落し物には気を付け、これからも記録更新を目指して、走り続けてください!!